こんにちは!てつまる先生です!
今日は、誰しもが経験したことのある計算ミスについてお話します。私自身もおっちょこちょいで小中高とも計算ミスに悩まされました。計算ミスの内容も様々です。約分を忘れたり、移項するときに符号を入れ替えるのを忘れたり、自分が書いた数字を誤認したり、、、これはすべて私が実際によくしていた計算ミスなのですが(笑)
計算ミスが多い人はめんどくさがりが多い
計算ミスを全くしないという人はいません。計算ミスというのは言わばヒューマンエラーであり、私たちは機械ではないので、どうしても計算ミスをしてしまいます。しかし、計算ミスをしやすい人としにくい人、というものは存在します。下の問題で考えてみましょう。
$$\frac{X+4}{5}+2=\frac{4X+2}{10}-\frac{2X-6}{15}$$
めんどくさがりな人は、通分や移項をいっぺんにやる傾向にあります。もちろん簡単な計算ですから頭の中で計算することが可能なわけですが、頭の中で計算して面倒な途中式を省くことで符号のミスだったりが起きやすくなるわけですね。めんどくさがりの人は、この式を解くと、以下のような計算になります。
$$\frac{X+4}{5}+2=\frac{4X+2}{10}-\frac{2X-6}{15}$$
$$6X+24+2=12X+6-4X-12$$
$$-2X=20$$
$$X=-10$$
このように、自分の頭の中で考えて、途中式をすっ飛ばして計算するので、計算ミスが起きやすくなるります。頭の中で計算した方が早いし、途中式を書いている時間がもったいないという思考があるわけですね。
途中式を書く・1行に1仕事
当たり前のことを改めて書きますが、途中式をちゃんと書きましょう。そして、途中式を書く上で大切なことは、「1行に1仕事」ということです。上記の問題で考えてみましょう。
$$\frac{X+4}{5}+2=\frac{4X+2}{10}-\frac{2X-6}{15}$$
この問題を解くにあたって、まず考えることは分母をなくす、ということです。つまり、この問題では5,10,15の最小公倍数である、30を両辺にかけることで分母をなくすことができます。つまり、
$$\frac{X+4}{5}+2=\frac{4X+2}{10}-\frac{2X-6}{15}$$
$$6(X+4)+2×30=3(4X+2)-2(2X-6)$$
これで1仕事ですね。この式では分母をなくすという1仕事を行いました。次に、展開していきます。
$$\frac{X+4}{5}+2=\frac{4X+2}{10}-\frac{2X-6}{15}$$
$$6(X+4)+2×30=3(4X+2)-2(2X-6)$$
$$6X+24+60=12X+6-4X+12$$
ここでは、展開するという仕事しかしません。1行に1仕事です。簡単であるけれど、たくさんのことをすると、いつかミスを起こします。次に移項して整理します。
$$\frac{X+4}{5}+2=\frac{4X+2}{10}-\frac{2X-6}{15}$$
$$6(X+4)+2×30=3(4X+2)-2(2X-6)$$
$$6X+24+60=12X+6-4X+12$$
$$6X-12X+4X=6+12-24-60$$
ここでは、移項して整理する、という仕事のみを行います。もちろん頭の中でさらに計算もできるので計算してしまいたくなりますが、あえて計算しません。なんども言いますが、1行に1仕事、ここでは移項して整理することのみに心血を注ぎます。次に、足し算引き算を行います。
$$\frac{X+4}{5}+2=\frac{4X+2}{10}-\frac{2X-6}{15}$$
$$6(X+4)+2×30=3(4X+2)-2(2X-6)$$
$$6X+24+60=12X+6-4X+12$$
$$6X-12X+4X=6+12-24-60$$
$$-2X=18-84$$
$$-2X=-66$$
右辺の計算も一回でやらないこともコツの一つです。$$6+12-24-60$$をいっぺんにやるよりも、$$6+12$$と$$-24-60$$にわけて、$$18-84$$と計算した方が確実です。最後に両辺をXの係数で割っていきます。
$$\frac{X+4}{5}+2=\frac{4X+2}{10}-\frac{2X-6}{15}$$
$$6(X+4)+2×30=3(4X+2)-2(2X-6)$$
$$6X+24+60=12X+6-4X+12$$
$$6X-12X+4X=6+12-24-60$$
$$-2X=18-84$$
$$-2X=-66$$
$$X=33$$
このように、1行に1仕事を徹底することで、計算ミスを大幅に減らすことができます。今回の計算では、
①分母をはらう
②展開する
③移項して整理する
④足し算・引き算を計算する
⑤両辺をXの係数で割る
という工程を1行ずつやっていきました。めんどくさいという気持ちは大いにわかります。しかし、頭の中で計算して途中式をすっ飛ばして計算ミスをしてもう一度計算する方が面倒じゃないですか?私のような熟練の講師でさえも、未だに1行に1仕事というのを意識して途中式をしっかり書いています。面倒なのはものすごくわかります。しかし、計算ミスが多いと自覚のある方は、丁寧に「1行に1仕事」を肝に銘じて計算していきましょう。
式を丁寧に書く
これは私が一番苦しんでいたミスなのですが、自分が書いた文字が汚すぎて、別の数字に誤認してしまいミスをするというパターンです。字が汚い人によく起こりがちで、文字をきれいに(自分が誤認しないレベルで)書くことによって驚くほど計算ミスが減ります。よく子どもの丸付けをしているときに間違っている問題の途中式を見ると、これなんて書いてあるの?と本人も読めない数字が書いてあったりします。式を書くときはできるだけきれいに書いてほしいところです。
検算・見直しをする
それでもやはり計算ミスは起きます。自分の出した答えの検算・見直しをすることも大切なことです。自分が計算ミスを起こしやすいと思う人こそ、検算の習慣を身に着けておくべきでしょう。テストを早く解き終わったら見直しをする、宿題や普段の学習の時から見直しをすることで、テストでも見直ししなきゃ、という思考になります。
また、自分のたどり着いた回答が、きれいな数字になるかどうか、というのも一つの目安になるでしょう。必ずしもそうだとは限りませんが、出した答えが複雑なものになることは少ないです。回答がこんな数字になる?と疑問を持った時は、自分が計算ミスをしているかも?と疑った方が良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は計算ミスを防ぐうえでどのような対策を講じるかを紹介させていただきましたが、ここまでしても計算ミスというものは起こってしまうものです。人間ですからね。しかし、その数を減らすことは可能です。できるだけ計算ミスが少なくなるよう皆様にも実践していただきたく思います。
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